あまりに情報が無かったため、たぬきケーキの先祖探しは二の次にしていたのですが、先日、Twitterでフォローしてくださっているぶんこさん(@bunkoayako)から、1954年の雑誌にたぬきケーキが載っている、という情報をいただきました。驚きと喜びとで早速調べたところ、雑誌「製菓製パン vol.20 no.9(1954年9号)」に確かに掲載されていました。
これがそのたぬきケーキ。名前はフランス語で狸を表す「BRAIREAU DO JAPON(原文ママ。正しい綴りは BLAIREAU ですが間違いなのか意図的なのかは不明。直訳すると【日本のアナグマ】)」。作られたのは六本木にあったクローバー洋菓子店の創始者、田中邦彦氏(故人)です。
製法も載っているのですが、これがかなり独特。胴体部分は底にビスケットを敷き、その上にドーム型にスポンジを作り、チョコレートで覆って完成。頭部は基本的にマジパンで形を作り、チョコレートで顔を成型。それを先ほど作った胴体の上に乗せて出来上がり。そう、驚いたことに、たぬきケーキ最大の特徴とも言える(※個人の意見です)眼孔から鼻にかけて指で摘む作りにはなっていないのです。また、現代のたぬきですと頭部と胴体は一緒に作りますが、BRAIREAU DO JAPON は別々。そもそも中にバタークリームは詰まっていません(ただスポンジ作成時にバタークリームを使用)。
すべてクローバーの洋菓子。写真真ん中にたぬきの列。
BRAIREAU DO JAPON が先祖かどうかは分からないまでも、現段階では「最古のたぬきケーキ」に違いありません。現代のたぬきケーキと見比べながら、進化の過程に思いを馳せたり普通に食べたりするのもいいかもしれません。
出典・引用元:
製菓製パン Vol.20 No.9
製菓製パン Vol.23 No.7
道ひとすじ-㈱ふらんす菓子クローバー五〇年史
1960年生まれで幼稚園に行くまえから地元の喫茶店に置かれていた大好物ケーキは、多くのたぬきケーキに近いレシピかと。
返信削除形はたぬきケーキではないのですが、ドーム形系のスポンジにクリームサンド、当時ですからバタークリーム、トップにデコレートでクリームがいくつか絞られ、それを含めて全体をチョコレートコーティング、
顔等はないですが、構成要素はたぬきケーキと同じパターン、ですので、このタイプのケーキがたぬきケーキになったのか?はたまた既にあったたぬきケーキを安直にしたチョコレートケーキを当時の純喫茶等で出し始めたのか、、は定かではありませんが、
この純喫茶での幼児の愉しみ♩のドームタイプバタークリーム&チョコレートコーティングケーキは、すでに1960年始めには存在としてはポピュラーなものかと思えます。
追伸です、
返信削除そのよく行った純喫茶は西荻窪にありました。