◆ 序文 ◆
たぬきケーキ―――それは俺こと松本の生まれ故郷のケーキ屋で売っていた「たぬき」の形をしたケーキのことで、幼少の頃の俺のハートをことある毎に狂わせ、口の周りをバタークリームでてかてかにさせていた思い出の一品です。 その、女・子供に媚びているようで、「目が虚ろすぎ!」と気味悪がる人も多いスタイルと、好き嫌いの別れるバタークリームの風味で、今考えると人気があったかどうかよくわからない代物でした。
そんな忘れても生きる上で何ら問題ないようなことを、ちらっと違う町出身の知人女性に話したところ、「あたしも知ってるー」ということになり、「あぁ、これは全国的に作られているものなんじゃないだろうか」と思うようになりました。
とりあえず、そのなつかしのたぬきケーキを食べてみましょう、と2002年の冬、15年ぶりくらいに食べてみたところ、そのスタイル、その風味は未だ変わることのない味で、なんだか心持ちセピアがかってみたりしました。この感動を 当ページの日記やら掲示板やらに記したところ、微妙な反響を得ましたので、これはとりあえず記録しておくべきであろう、これは世の中に中途半端に公開するべき情報であろう、という結論に達し、再びたぬきケーキを購入。 ここにその画像を載せるのであります。(画像は大きな画像へリンクされていますのでクリックしたりしなかったりしてください)
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2002年〜2003年に旧サイトで取り上げていた「たぬきケーキ」に関する部分をただただ埋もれさせてるのももったいないので少々修正した上でこちらに転用しましたよ。俺のたぬきケーキに対する想いや食後の胃のもたれ具合を感じてくれたら、と思います。
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◆ 2002年12月28日:懐かしい味探訪 ◆
とりあえず4個ほど買いました。箱内部の密度が高く、たぬきがひしめいております。なんか、黒いです。並べてみると、たぬきそれぞれに表情がありますよね。 それは恐らく、どんな顔の人でもケーキの甘さは平等である、というケーキ屋を営む夫婦の思いの表れではないでしょうか。人は甘さの下に平等―――かのケーキ博士(ドクトル・ケイク)が言いかけた言葉として有名ですよね。
一つだけ取り出してどアップにしてみました。たぬきの深みのある表情が露骨ですね。愛嬌のある目が離れているのも露骨です。鼻がとがっているのも露骨です。なんだか、手斧で頭を割られた人みたいな顔になっていますが、多分それも甘さの人に平等という理念を踏襲、さらに 頭骨割られても甘いの食べていいんじゃない?という提言をも含んだ表情と言えるんではないでしょうか。
一口で左半身を食べてみました。こうしてみると愛嬌のあるはずの目がリアルで怖いです。上半身にぎっしりと詰まったバタークリームは人の飽きセンサーを刺激し、2個・3個と食おうとしている人を引き止めます。それは、甘いものばかりだと太るぞ、と訴えかける店の夫妻の優しさの表れではないでしょうか。 たぬきケーキ一つで世界平和、人類平等、肥満防止と様々な警告を人類に発信するケーキ屋夫婦。すごいです。青森県の片田舎から愛をこめて。
場所を知りたい人が結構いるみたいなので、Googleマップで確認してください。店名は「レザン」で、品名は「たぬき」です。ショーケースを見るとたくさんのたぬきがこちらを見ているのでひるまずに、各自10個以上買って食べてください。そして応援してあげて下さい。
◆ 2003年2月21日:新種発見 ◆
青森県十和田市の大手ケーキ屋で違うタイプのたぬきケーキを発見(名称:たぬきちゃん)。他のケーキはたぬきケーキと同じ種であるようで、 著作権法に微妙に抵触してそうなので、とりあえずモザイクをかけました。このせいでたぬきケーキが絶滅するのもやだからね。 でも、これらのケーキはケーキ職人の「子供を楽しませるものとしてのケーキ」というテーマを、法を犯してまで作られたものであるとするならば、 これぞまさに職人魂と言えるのではないでしょうか。
※前に仕事の都合でキャラクター製品について小学館とサンリオに問い合わせてみたことがあるのですが、 意外と「殺傷能力のある電気を流す黄ねずみ」のほうは許可さえあればなんでもいいですよ、みたいな感じでしたが、「リボン化け猫」の方は「ダメです」の一点張りでしたよ。
たぬきケーキのページなので、たぬきだけ取り出してみました。耳の部分がアーモンドチップです。この写真からではよくわかりませんが、チョコが顔の部分しかなく、胴体は完全にスポンジになっています。そして前述のたぬきケーキよりもスマートですが、50円程度高めなのは何故でしょうか?
お約束、真っ二つにしてみました。相変わらず目の死にっぷりが素晴らしいです。中身を見て愕然としました。クリームはバタークリームが一切なく、全て生クリームで構成されていました。「これが50円高い由縁か!ふざけるな、たぬきケーキはバターだろう!このブルジョア野郎、粛清してやる!」とたぬきケーキを八つ裂きにしながら憤りつつも上品に口へと運びました。 とても美味しかったです。少なくとも2個は平気で食べれそうでした。
おまけ:電流黄ねずみケーキです。
・・・割ってみました。
◆ 2003年5月5日:たぬきケーキ、海外進出! ◆
たぬきケーキが海を渡ってました。 お友達のすずさんが、2002年9月から半年ほどベトナムに留学した際にホーチミンで発見したたぬきケーキで、商品名を「PONPOKO」と言うそうです。 日本語じゃん。ということは、やっぱり日本から伝わったものと考えられますね。何者が日本からベトナムへたぬきケーキを伝えたのでしょうか。個人的にはやっぱり宣教師に伝えて欲しいところですが、多分ヤマザキ製パンだと思います。 社会の授業で、ベトナムへの輸出品の問いが出たら、「たぬきケーキ」と書きましょう。思わぬ答えにおばさん先生も腰を抜かすかも!?
たぬきケーキを横から撮ったところです。こうしてみると、意外とデカイです。カップケーキっぽくもないですね。 日本のに比べて背が高いので、少し威嚇しているように見えます。ケーキに威嚇されるなんて、なかなか無い経験ですよね。 これも国際交流ってやつです。さぁコミュニケーションを取りましょう。
お約束。割ってもらいました。中はオールバタークリーム、それも相当硬かったみたいで食べるのに苦労したそうです。 割られているのに全然形が崩れてないことからも、その硬さが容易に想像つきますよね。オールバタークリーム、もしくはナッシング・バット・バタークリームということで、 味のほうはかなり胸焼けものだったそうですよ。加えて店員の態度の悪さも胸焼け具合を加速させることになってしまったようで。
何はともあれサンクス、すずさん。貴重な情報(兼 人柱)をどうもありがとう!
(すずさん近影 / 写真使用無許可)
関連:全国たぬきケーキマップ
たぬきケーキ。
返信削除実は子供の頃に見たか、食べたか忘れちゃったけど、僕の遠い記憶にあります。
たぬきケーキに対しての愛情はマツモトさんが、きっと世界〓なんでしょうね星
僕も食べたくなっちゃったよぉ!
でも太りそうですよぉ!
半分食われたたぬきケーキがグロテスクですよぉ〜ん!
メイプルタウン物語。
たぬきケーキは自分にとってはママンの味、と言っても過言ではありません。いや、過言でした。すみません。
返信削除かわいさと気持ち悪さは紙一重、今日もたぬきケーキは頭を割られるのです。
ホワッツマイケルゥゥゥゥゥゥゥゥッ!(絶唱)
mixiの地元コミュから来ました。
返信削除あまりにもたぬきケーキが懐かしくて田舎の帰りたくなりました。2年帰ってないもんで…。
匂いや食べ物って地元を瞬間的に思いださせてくれるモノですね
。十和田には12年間住んでたものでどちらのたぬきも知っています。久しぶりにみれて感動♪でした。
>ポポロ さま
返信削除いらっしゃいませ。
かつては多くの町のケーキ屋にあったというたぬきケーキですが、最近では滅多に見られなくなったみたいです。
この記事、いろんなところからリンクが貼られてまして、それぞれで「懐かしい!」「どこで売ってるの?」という意見が多々あります。地元で売ってますので、帰郷の際には是非ともお買い上げ下さい。そして「懐かしくて2個買ってみたけど、バタークリーム2個はきついな」と思ってくれると幸いです。
ヤマザキで売ってたたぬきケーキって下はシュー生地じゃなかったでしっけ?
返信削除ヤマザキのたぬきを食べたことないのでわからんのです。
返信削除ただ、ヤマザキのたぬきケーキが人生初たぬきって人が多いような気がするので、むしろ本流なんですかねぇ。食べてみたいな、ヤマザキたぬき。
たぬきケーキの画像を探していてたどり着きました!
返信削除イマドキの、たぬきケーキを知らないお友達に紹介したかったんです〜
あの食後のムネヤケ感も鮮やかに思い出されてキャベジンを探してしまいました。
貴重な写真、ありがとうございます!
フォーエバー、たぬきケーキ!
>timtamさん
返信削除いらっしゃいませ。
たぬきケーキといえばやっぱりあの胸焼け感ですよね。というか、本来のバタークリーム以上に胸焼けしてしまうあの感じ。若干日にちが経つと、出来心次第で人を殺めてしまうくらいの硬さになるあの感じ。ずっと忘れたくないものですね。
貴重な写真といわれましても、地元のケーキ屋では毎日見られます。